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朝陽館のとりめし(日出谷駅駅弁)
 朝陽館(新潟阿賀)(2006/06/17)
 現在は閉店
 TEL:
 コメント:日本で2番目に登場したとりめし駅弁。当地はJR磐越西線の小駅であるが、当線はかつては東京と新潟を結ぶ幹線に位置づけられ、当駅はSLの補給基地として大いににぎわったとのこと。その後上越線の開通で当線の地位自体も凋落し、現在は日に数本の普通列車が発着するに過ぎないのだが、平成の初期まで駅売りで弁当を販売していたとのことで、驚く他はない。さすがに現在は駅売りは終了したが、イベントSL列車が週末に運行されているので、それに併せて1日20個で限定販売しているという。開設者は昨年11月に当地方に駅弁巡りに出かけたのだが、当時当駅まで出向いたものの入手できなかった経緯がある。今回再び出向き機会が出来たので、予約をして赴いた。調製元は駅前にある旧旅館で、SL列車運行日および予約があればこの弁当を作っているらしい。予約の時間に出向いて声をかけたところ「開設者さん、お待ちしていました」と返事があり、予約分をすぐに出してくれた。さて、味の方だが、これはうまい。白飯の上にそぼろ2種がヘラで塗りつけられた調製になっており、漬け物が添えられる。そぼろはいずれも甘いが、この甘さは懐かしい食感を覚える。塗りつけられているのは、揺れる車内でも食べやすいようにという配慮であろう、さすがである。この甘さは、飯と食べると更に甘さが強調されることになるが、これだけだとくどくなるかもしれない。しかし、添えられた漬け物(自家製と思われる)の存在が大変大きかった。漬け物はかなり塩辛い味付けであり、漬け物だけだとかなりしょっぱい。しかし、甘いそぼろ、飯と併せて食べると抜群のバランスのよさを発揮する。この組み合わせは見事であった。なお、この一品、幻の駅弁と言われており、1日20個では確かに入手困難であるし現地に出向くにも福島・新潟の県境ではそう簡単に行けるところではない。しかし、それ故にこそ入手できたときの喜びはひとしおであった。末永く残って欲しいと願うところではあるが、当地での販売はSL列車運行が続いている間までということならざるを得ないだろう。ただ、なにしろ日本で2番目に古いとりめし駅弁であり、その歴史の重みは神々しくさえある。レシピ継承等で残る可能性はあると思われるし、そうなることを大いに念願するばかりである