コメント:広島風お好み焼き。関西の「モダン焼き」と一見似ているが、生地はキャベツを入れずに焼くため、生地にキャベツを入れる関西風お好み焼きとはあくまで別物である。開設者はかつて当地に来たことがあり、もう17年前になるが、当時広島風お好み焼きを食べ、平素食べていたお好み焼きと全く異なるので驚いた記憶がある。今回はどこに行くか迷ったが、老舗に行ってみることにした。行列になっていた。小一時間ほど待っただろうか、店内に案内される。店内の掲示を見たところ、焼き上がるのに30分ほどかかるという。カウンター越しに調理するのを見ながらしばらく待っていた。できあがりはご覧の通り、ネギをトッピングしたのでわかりにくくはなっているが、一番下から生地、豚肉、キャベツ、そば、卵焼きの順に乗っている。食べてみて驚いた。各具材が強烈な個性と存在感をだしながらも、決してぶつかり合ってはいない。むしろしっかりと引き立て合っている。生地はそれ自体が出来のよいクレープのようで、キャベツはじっくりと蒸し焼きされたことにより確かな甘みがあり、肉はカリッとしてほどよい塩味となっている。そばも、麺それ自体がうまい、キャベツ同様、蒸し焼きにより麺のもちもち感を保ちながらも時折カリッとした食感が食味を増す。各食材、まったく、それぞれ別に食べてもうまいのだが、これらが完璧にまとまっている。開設者はバランス感というのを重視しているが、これほど見事なバランス感というのもそう滅多に経験できるものではない。食べ進むと、時折卵焼きのほどよい半熟の黄身がコクとアクセントを与えてくれた。オタフクソースが添えられており少しずつかけて食べてみたが、途中からソースは使わなかった。各食材のバランスだけで十分であり、最後までバランス感のよさから出る新鮮さは失われることはなかった。全く見事としかいいようがない。支店(
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元祖店、がある