チキンライス訪問記－勝烈庵

　コメント：創業７９年の老舗。チキンカツがあるのを見つけたので試してみた。カツレツは本件でも何回か取り上げてきたが由来を再度おさらいしておこう。もともとはフランス料理でcutletといい、肉に衣を薄くつけてフライパンで焼き上げるもの。明治期に我が国に伝わり洋食として発展、その後焼きではなく揚げが考案され、とんかつが生まれた。パン粉をつけて揚げるというのは我が国独自の手法で、パン粉や揚げ方に各店の工夫、競争が盛んになり、とんかつ全盛として現在に至っている。揚げ物という点ではある意味でシンプルな調理技法とも言えるが、故に具材や調理技法で仕上がりが全く異なってくるという、難しい一面も持っている。当店は老舗として定評のある店だが、パン粉は自家製で毎日作っているとのこと。今回はもも肉を揚げた一品、見た目から確かにパン粉がかなり細かいことに気づく。食べてみるとさくっとした食感ながらもパン粉の鮮度のよさと細かく製粉したのがすぐにわかる。肉は脂を大分落としてあったが、このパン粉と揚げ方がうまいためだろうか、バサバサ感はまったくなく、むしろさくっとして大変食べやすい一品に仕上がっていた。なるほど老舗の面目躍如であろう。