コメント:元祖奄美鶏飯の店。当店初代が鶏飯を考案したとのこと。鶏飯は江戸時代から当島のもてなし料理として薩摩藩から監督吏が来島する都度供されていたという。当店の説明によると戦後当店初代が江戸時代の文献から途絶えていた鶏飯を復活させたとの由。江戸時代のものは鶏肉の炊き込みご飯に近いものだったが、食べやすいように茶漬け風にしたのだという。さて、当店の一品だが、具材、スープ、バランス、全てが想像以上で完璧であった。肉は当島産というのだが、湯がいてほぐしただけのはずなのにしっかりしたコクと歯ごたえがあり、かといって固いわけではない。説明を見ると当島は強い日差しと豊富な運動が鶏をうまくしているというのだが、全くその通りであり、別店もそうだったが肉自体の質が全く異なるといわざるをえない。スープだが、かなりこってりしており脂も大分浮いていたのだが、かといってえぐみや臭みは全くない。鶏のうまみとコク、それから脂のうまみも存分にこれでもかというほど出ていた。これをかけた鶏飯は具材、スープとが相まって全く次元の異なる味を完成させていた。すなわち、肉、錦糸玉子はさっぱり目に仕上げてあり飯と相まってさらっと食べさせようとしているのに対し、脂ものった濃厚なスープが全体にしっとりと濃厚な味を与える。これは官能的なバランスとさえいってよい。もっとも、これは当店の技術もさることながら鶏自体の質がよほどよくないとできないであろう。他は
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