かしわ焼き
のなみ(徳島海陽)(2009/01/17)
徳島県 海部郡 海陽町 奥浦字町内 82−1
TEL:0884-73-0662
コメント:お好み焼き、鉄板焼き店。地鶏の肉とタマネギをニンニクソースでまとめた一品。ソースには微妙な甘みがありリンゴを隠し味に入れてあるのか。この微妙な甘みが全体の味を引き締めておりうまかった。当店は国道55号線沿いにある。徳島から阿南海岸、室戸岬に達し、高知県南国市までの路である。当店から室戸岬までは絶景であった。開設者はこれまで海岸線沿いをいくつか走ってきてはいるが、延々と海岸線が続きはるか彼方に室戸岬を望む、息をのむ絶景であった。そうしてしばし堪能しながら車を走らせていたのだが、歩道に目を向けると遍路が歩き続ける光景を目にした。一人二人ではない、一体何人いたのだろう。遍路は独特の服装ですぐにわかるのだが、この距離を歩けば到底1日でたどり着けるものではない。室戸岬を確かに認めながらも徒歩ではなかなかたどり着けない。車で行けば室戸岬は県境からせいぜい2時間もあれば到達する。そういう時代にわざわざ徒歩で向かうのはなぜなのか。室戸岬は弘法大師が得度した地として名高いが、実際に行ってみると都からはるか彼方、この先にもはや陸地はない。望むのは大海原のみである。それが希望なのかそれとも耐え難い寂しさなのか、受け止める人にとってさまざまであろう。大師は当地で修行中一体何が見えていたのか。そうした岬に向かってただ黙々と歩き続ける。夕暮れ前の、車もほとんど通らない国道であの白装束を見ると、苦行に耐え業を何とかして清めようという、遍路とは何か、わずかだが感じ取れたような気がする。遍路は開設者には到底できることではない、それこそ車で走り回っているだけなのであるが、絶景と遍路、これが四国という地の本質なのか、まだなかなか受け止めきれないでいる。