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 鳥水炊き、鶏雑炊
 さ和鳥(東京港)(2005/07/30)
 現在は閉店(移転)
 TEL:
 コメント:当店(その後移転)はメニューがなく、店の看板もごく小さな看板のみ、昼は親子丼、夜は水炊きのみでやっている。水炊きはコースになっており、突き出し3寸、手羽先、鶏レバーと供された後にいよいよメインの水炊きとなる。当店の鳥は毎日博多から空輸しており鶏ガラスープは8時間かけてじっくり煮込んでいるとのこと。鶏ガラスープはコース途中で別途供されるがこれがまたうまい! スープとしても十分味わい深いのだが、このスープを惜しげなく使って水炊きとする、何という贅沢であろうか。今回は3人だったので肉の量もそれなりにあったが、肉は骨付きとつくねがそれぞれ供される、鍋の中にあらかじめ骨付き肉は投入されておりそれをじっくり煮込む。火を入れる時点でつくねも投入されるが、しばらく煮込んだところで順次食す。驚いたのが今回かなり時間をかけて骨付き肉もつくねも賞味したのだがいずれも長時間の煮込みでだれることも固くなることもなくひたすらうまみを惜しげなく発揮し続けていた。下ごしらえは長時間の煮込みに耐えられるよう十分計算してのことなのであろう、当店の水炊きに対する真剣さと配慮はすばらしい。鍋は他に野菜と豆腐が入ったが、ガラスープで炊いた豆腐も実にうまい、ガラスープ自体は特段味は付けておらす薄めの味とも言えるが、各食材のうまさを存分に引き出すのはすばらしいと改めて納得した。その後に雑炊にされたが店主が「雑炊にする前にスープを飲む客が多くて困る」と笑いながら言っていたのだが、確かにこのスープは飲んでしまいたくなる。雑炊にする時点では各食材をじっくり煮込んだ後になるのだが、食材のうまさを十分に吸ったスープで雑炊にするのだからうまくないはずがない、何とも複雑で立体的な味わいの、すばらしい雑炊であった