チキンライス訪問記－杉の子

　コメント：鶏ちゃん（けいちゃん）とは、当地の郷土料理でタレに漬け込んだ肉をキャベツを添えて焼くという一品。５０年前に当地の飲食店店主が考案したとのこと。今回考案店には時間がなく行くことができなかったが、専門店で試してみることにした。ご覧のように鉄鍋に紙を敷きその上に肉とキャベツ、それからタレが用意される。これを使って自分で焼く。具材がよくなじむように焼き進めていくと、次第にキャベツがしっとりと肉に絡んでくる。ビールがあればなおよいが車で移動中のためノンアルコールとなった。タレは醤油ベースで肉とよくなじんでいる。肉とキャベツをちょうどよく取り持つという風で、やや塩辛かったがアルコールに合わせる前提なのかと思いきや、その後の展開に驚いた。半分（一人前は２人分あった）食べたところで店員から焼きそばを食べるかと聞かれた。焼きそばをお願いすると麺を鉄鍋に投入された。再び自分で残った鶏ちゃん、特にタレと焼きそばをよく絡ませるようにと指示を受ける。早速しばらく箸で混ぜながら焼いてみたところ、焼きそばがタレを吸って次第に香ばしい香りがしてきた。なるほど、タレをやや塩辛くしていたわけがわかった。焼きそばに、タレ、そして肉汁を吸わせるとちょうどよい塩梅に仕上がった。店員に聞いたところ、麺にも相当こだわったとのことであった。タレでしっかり焼き上げ、そして焼きそばでうまみをきちんと吸わせて肉のうまみを漏らすことなく食させるというのはすばらしい、見事な一品であった。