水たき
水月(福岡)(2007/02/09)
福岡市 中央区 平尾 3−16−14
TEL:092-533-9301
コメント:博多水たき発祥の店。初代が洋食と中華の折衷料理として明治38年に本品を考案したとのこと。今回機会があったので行ってみた。突き出しは鶏皮のポン酢和えとササミとキモの刺身、突き出しを楽しみつつ、仲居氏からいろいろ聞いてみた。。仲居氏の説明によると、当店ではスープはガラを煮溶かすことをせず、骨付き肉と水のみでスープを作るとのことで、自ら炊く、すなわち水たきということになるとの由。きわめてさっぱりとしたスープで、なるほどこの手法が水たきとなる所以なのかとわかった。具材だが、肉は薩摩地鶏でしっかりとした歯ごたえと締まった身が楽しめる。野菜はキャベツを使用しているとのことで、他店では白菜を使用しているところが多いが、キャベツだと煮込んでも崩れないとのこと。他に特筆すべきはポン酢で、自家製で1年寝かせて作るとのこと。本品では食べ進むうちにスープでポン酢が薄味になってしまうことが多いのだが、当店のはそういうことはない。ポン酢がずっと存在感を維持しており、寝かせただけあってしっかりと腰を据えた味である。ポン酢が肉を完璧に引き立てている、すばらしい。肉の後はミンチ(つくね)となったが、あらびき風に見えてしかしふわっとした食感、煮込んでも崩れないのが印象的だった。ミンチの後にはスープの味ががらっと変わり、さっぱりしたスープから、コクのあるこってりとしたスープに変化した。当品はスープを飲むのも楽しみの一つなのだが、折に触れてスープを飲み比べてみると、次第に味が変化していくのがわかる、実に愉快であった。最後はおじやで締めたが、コクのあるスープで作ったおじやは格別であった。