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 玉子かけご飯
 てしまんま(東京立川)(2009/07/25)
 東京都 立川市 曙町 2−39−3−9F
 TEL:042-569-8411
 コメント:レストラン、山口県の旅館がデパート内にレストラン出店したとのこと。玉子かけご飯が看板だというので行ってみたところ南蛮(別頁)もあったので共に試してみた。玉子とご飯は食べ放題となっており、玉子かけご飯標榜店、専門店では定番化しつつある。もっとも、玉子を5個も10個も食べる人はいないし、今回2個の玉子+特別提供価格で烏骨鶏卵の計3個であったが、栄養士に話せば3個でも卒倒されることになる。玉子かけご飯の玉子だが、周りを見渡すとかき混ぜてから飯に載せる人が大多数である。開設者は玉子に限らず混ぜるのはあまり好きではないのでご覧のように飯にそのまま黄身を落とし醤油をさっとかけ回して食べるのが常である。さすがにピビンパフ(ビビンバ)や汁なし担々麺を混ぜずに食べると同席者から混ぜるようにいわれるのだが、混ぜるといえば韓国の玉子かけご飯という話を最近見つけたので紹介する。あちらでは生玉子を飯に載せるのではなく目玉焼きを載せるとのこと。載せた目玉焼きの上にソースをかけて、徹底的に混ぜるのだという。完全にまぜ終わったらようやく食べられるとのこと。貧乏学生の定番でこの一品はひもじさの象徴なのだという。日本でもかつては玉子かけご飯は貧乏の象徴だったらしい。ちょうど今月の日経「私の履歴書」で開設者の先輩筋にあたる人だが貧乏時代に「玉子かけご飯しか食べられずひもじさを感じた」と書かれていた。玉子はかつては貴重品で滋養強壮食だったというが、それがその後ひもじさの象徴となり、再び現在ブームで取り上げられているというのは、ヒトがいかに身勝手に意味づけをしているかの典型ということもいえるのであろう。もっとも、玉子と名付けること自体、言葉の恣意性であるわけだから、玉子にしてはずいぶんな迷惑ということになるのかもしれない。ちなみに、鶏卵を生食しているのは日本だけらしい。採卵後の殺菌処理が徹底しているから生食が可能とのことで、諸外国ではとてもそこまでの管理はしていないので生食などとんでもない、ということになる。かつて在タイ大使が当地でどうしても玉子かけご飯を食べたくなり、生食を禁ずる執事の反対を押し切ってこっそり生玉子を日本から持ってこさせて玉子かけご飯を食べたという。日本から持ってくる時間を考えると随分リスキーな対応だろうと感じたが、玉子かけご飯は日本が誇るべきすばらしい食文化ということになるのかもしれない。