チキンライス訪問記－その他一般　十一寿司

　コメント：当地ではもともと鯖寿司を食してきたという。山間部で輸送もままならない頃は海産物を食すにも自ずと限りが出る。すなわち長期の日持ちもする魚に限られるということである。鯖は塩鯖として各地で食べられてきたが、一塩すれば数日間要する輸送にも耐えられたということが大きな要因であろう。開設者は魚では鯖が好きなのであるが脂とコクがあり肉に通じるものがある。さて、当店では鯖寿司を一工夫して当店独自の一品を考案したとのこと。寿司箱の上に載せてあるのが桜鯖寿司であるが、飯は紅麹で染めてあり桜の菜の通り桜の葉で香り付けしてある。鯖の身は締まっており昆布となじみながらほどよい塩味となっている。飯は舌の上でさらっとくずれていくがかといってぼそぼそ感はない。鯖寿司として見事な一品である。高次元でバランスを取ることに成功しておりすばらしい。