上たたき親子丼
鳥つね自然洞(東京千代田)(2005/01/22)
東京都 千代田区 外神田 5−5−2
TEL:03-5818-3566
コメント:特上親子丼は既に売り切れだったため上たたき親子丼を試してみた。店頭には当品は新メニューと説明があった。命名よりどういう一品なのかにわかに想像がつきかねたが、一口食べてみて驚いた。上たたきとは、もも肉を丁寧にたたいたものを親子丼とする、そういう一品であった。初めての食感、たたきは通常はつくねだとか鍋だとかいろいろ使用法はあるが、親子丼に使うというのは想像がつかなかった。たたきが親子丼の食材としてここまで見事にマッチングするとは、全く見事という他はない。とじ卵もたたきを生かすべく絶妙な火加減で仕上げられている、すなわち、たたきに火が通りすぎないように仕上げ、半熟とも火が通ったともどちらとも言えない見事な火加減と仕上げ方であった。従って、たたきもとじ卵もそれぞれのよさが完璧に引き出されていた。上に鎮座する生卵、それからコメも全く申し分なく各食材にこだわるという標榜通りの出来であった。食材、仕事いずれも完璧であり、すばらしい一品を楽しめて至福のひとときであった。特上親子丼も日を改めて早急に試してみることとしたい。
特上親子丼(2005/01/29)
コメント:早速再訪、今回は品切れになる前にと開店直後(11:30)に現地入りしたところ、既に満席だったので驚いた。幸い特上親子丼はまだあったので試食することができた。前回同様に各食材、調理法全てが完璧な仕事だが、卵の使用量が多いらしく、聞いたところ3つ使っているとのこと。あまりダシは入れておらずやや薄味の感がしたが、逆に卵の味がよく味わえたのでなるほどと思った。例によってとじ卵は白身がこぼれそうでこぼれない、見事という他はない。肉は地鶏を使っているそうだが、弾力感、歯ごたえいずれもすばらしかった。コメはやや固めに炊きあげているようだが、この固さがとじ卵の食感とうまくバランスがとれてより全体を引き立たせていた。こうなると、確かにダシであまり味付けはしない方がよく、各食材の良さが自然に引き出せるように調理法を工夫すればよいことになる。もちろん、味付けをあまりしないということはごまかしがきかないということであるからよほど腕に自信がなければできないやり方ということを意味する。当店が確かな仕事をしていること、確固たる自信をもってこの一品を供していることの現れであろう。