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唐揚げ
 平家本陣(宮崎椎葉)(2007/09/29)
 宮崎県 東臼杵郡 椎葉村 下福良 509−23
 TEL:0982-68-7570
 コメント:当地は秘境(チキン南蛮は別頁で紹介する。また、2008年訪問は別頁)と呼ばれており、かつて源平合戦に敗れた平家一門関係者が落ち延びて集落を作った(落人の里)という伝説もある。熊本県との県境にあり山を越えると熊本である。一度訪ねてみたいと思ったので今回行ってみた。経路はいくつかあるが日向から西進していく(国道327号)のが標準的であり、今回そのルートで進む。途中諸塚村という村を通るがここまでは整備されており快適である。沿線は桜並木が続いており春はさぞかし満開になることだろう。諸塚まではよい、問題は椎葉村に入ってからとなる。椎葉村に入ったとたん突然道路状況が変わる。離合が難しい1.5車線の道になり、断崖絶壁の中を進むようになる。所々改良工事やバイパス整備が行われているがまだまだ当分かかりそうという雰囲気であった。もっとも、これでも国道265号(後述)よりははるかにましな道であった。こうして道を進んでいくとやがて椎葉村の集落に入っていく、集落といっても渓谷沿いの斜面にへばりついたような集落であり、中心地の他いくつか集落があり各集落はこうした狭隘な道で結ばれている。従って災害時には各集落が寸断孤立することがしばしばだという。村内で何店か回ろうと思ったものの、到着時は既に昼食時を過ぎてしまっていたので、当店のみの訪問となった。さて、その後進路を南に変え、小林市に向かうことにした。椎葉村内を横断し九州中央山地を縦断する国道265号線があるのでそれを使うのである。この国道は、狭隘悪路で有名なことから国道ならぬ酷道と呼ばれており、一度走ってみたかったので今回挑戦してみた。椎葉村中心部から265号線に移り一路南に進む。中心部でも大変な高低差があり、つづら折りを進むとあっという間に中心部がはるか眼下となっていた。その後とても国道とは言えないような狭隘な道を進んでいく。1車線がやっとの道であり山の尾根を進んでいく。ガードレールは一応あるが突き破って転落すれば確実に死ぬであろう、目もくらむ高さの崖である。小林まで行くには3つの峠(飯干峠、尾股峠、輝嶺峠)を越えなければならない(飯干峠は近隣にもう一つある、別頁)。まず飯干峠。椎葉村中心部からほどなくするとこの峠が始まる。急勾配が続き峠の高さは1050mである。もちろん1車線だが尾股峠に比べればまだ走りやすい。峠に到着するとちょっとした休憩場所が設けられており、眼下はるか小さく椎葉村の集落が広がっている。石碑も建っており村内入り口という趣旨なのであろう。石碑のひえつき、というのは当地で有名な民謡にもある。さてその後峠を下りしばらく道を進むと尾股峠となる。この峠の過酷さは半端ではなかった。峠の高さ自体はさほど高くないらしいのだが、薄暗い沢沿いにひたすら進まなければならない。ご覧のように走行には万全の注意を促す警告があり、ところどころ路肩が崩れている。路面中央には苔が生えておりほとんど走行する車もないことを物語っている。対向車が来たらもちろんどうにもならない、離合可能な箇所が所々にあるためそこまでバックしなければならない。ひたすら車を走らせた。走っても走っても同じような光景が続き、うっそうとした薄暗い沢である。これでも国道なのかと驚いたが、あまりに光景が変わらないので狸にだまされたのかとすら錯覚するほどであった。忍耐強く走り続けたが、所々崖が崩落しており路上には石が散乱している。ちょっとした雨や地震でもひとたまりもないだろう。落ち葉も散乱していたがスリップしないように慎重に進んだ。そしてようやくこの峠を抜けたが10km程度の道のりに1時間を要した。その後ダム湖沿いに入り、付け替え区間で立派な道路に変わるがほんの一瞬であり、ほどなく輝嶺峠に入る。輝嶺峠も標高が高く(770m)、急勾配で山の尾根を進んでいく。ここも眼下は目もくらむ高さであるが、見渡す限りひたすら山また山、人煙の気配は全くない。結局この3つの峠を越えるのに3時間を要した。輝嶺峠を終えると通常の国道に戻り快適な走行ができるが、これで同じ国道なのかとただただ驚く半面、人里におりてきてほっとしたというのが実感であった。今回は椎葉村訪問が目的だったが、当地山間部の厳しさがいかほどのものなのかようやくわかった気がする。当地は椎葉村以外にも山間部に集落、村が点在しておりかつては自給自足の生活を営んでいたという。しかし近年は高齢化、人口流出が加速しもはや集落を維持できない(限界集落)という問題に直面しているのが現実である。今回酷道を走破してみてこの道も整備すれば限界集落問題にも多少は効果があるかとも思ったものの、何しろ人里離れすぎておりなかなか予算が回せないのであろう。かといってこのままにしておけばますます人口流出が加速する。椎葉村は日向から標準で2時間かかるというが、これでは生活もままならない。かといって昔ながらの自給自足に今さら戻れるものではない。今後どう対処すればよいのか、当地に限らないが我が国全体で各所にこうした問題があるわけで、道路整備一つとっても県レベルで解決できる問題ではない。最近格差社会などと言われているが、単に所得の多寡に焦点を当てては問題の本質を見誤る。こうした集落があるからこそ国土全体が保全されてきたのも事実である。我が国の国土をどう保全していくべきなのか、人の暮らし、営みを国としてどう尊重守るべきなのか、単に所得格差などと矮小化せず総合的な対策が必要であろう。
 
 
 
 
 
 
 
椎葉村への訪問ルート2(2007/10/13)
別件で美郷町に行ったおり、峠越えをして再び椎葉村を目指すことにした。そのルートは国道388号線で、大分県佐伯市と熊本県湯前町を結ぶ。当県内は各所で他国道と重複区間があり、単独区間と重複区間が繰り返し現れる。美郷町から椎葉村へは大河内越え(標高1140m)という峠を越える必要があり、今回車を走らせてみた。南郷町の集落内は整備されており快適なドライブを楽しめるが、例によって集落が終わったとたんに酷道らしい険しい一車線道路に変貌した。峠の標高が高いため勾配は結構きつく、サミット直前はかなりの勾配でつづら折りを登らなければならなかった。途中沢沿いにも進んだが、路面状態についてはおおむね265号よりは整備されているという印象を受けた。峠を越えた直後、椎葉村中心までバイパスできる林道(大河内唐木原林道)があったのでそちらを使って椎葉村中心部まで抜けたのだが、この林道は265号の飯干峠よりも整備されており(とはいってもガードレールがないのだが)村内のメインルートの一つになっているようであった。その後椎葉村から五ヶ瀬を経由し高千穂に向かった。なお、同村での集落風景も併せて紹介する。ご覧のように斜面にへばりつくように民家が点在しており、また斜面の耕地で焼畑を行っているため目もくらむ高さでの農作業となる。
 
 
 
鶴富屋敷(2007/11/17)
別件で門川の店に行った後に国道388号線、327号線経由で当地入りしてみた。327号線は途中の諸塚村までは整備されており耳川沿いに進むが、川幅もそれなりに大きく、道も大きな弧を描いている。諸塚村塚原をすぎると1.5〜1車線に減少し酷道区間となる。所々改良工事はされているが椎葉村まで改良が終わるのは当分先になりそうである。何しろご覧の通り山腹険しいところをへばりつくように走っており、拡幅しようにも高い崖であり工事は容易ではない。驚くのはこの道がメインルートとなっているため大型バスの定期路線が開設されていることである。当然離合は不可能なので小型車のこちらがバックしてやり過ごす。門川から椎葉までは結局1時間半かかった。これでも早いほうであり日向から327号線を使うメインルートで通常は2時間かかるとのこと。椎葉村中心部は上記でも紹介しているが、ご覧のように斜面にへばりつくように集落が展開している。今回は鶴富屋敷を訪ねてみた。当地独特の母屋だそうで横一列に部屋が並んでいる。