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関東 道の駅 スタンプラリー2008 スタンプブック 最終訪問駅
 東京01 八王子滝山(東京)(2011/05/05)
 東京都 八王子市 滝山町 1−592−2
 TEL:
 コメント:関東 道の駅スタンプラリーは本駅で終了となった。エリア制覇は今回で6エリア目となった。懲りずに各エリアを回るものだと我ながら思うが、素直にうれしいものである。
 2009年から始めたが2年かかったことになる。他エリアを回っていたことで当エリアは順次回るということになった。
 当エリアは首都圏、関東地方という人口が多いエリアであるため、道路渋滞や各エリアの人出の多さなど他エリアとは異なる実態であった。このため、都心の渋滞を避けるために郊外でレンタカーを借りて出かけたり、前日夜間に出発して高速を夜中に移動しエリア近くに着いて仮眠して開始時間に備えるなど、工夫も必要であった。
 訪問ルートもしかりで、首都圏近くの行楽地にある駅の場合観光客が来るルートと逆のルートで回らないと渋滞に巻き込まれることになる。このため、前述の通り夜間に移動して当該エリアにおける最遠の駅から行楽地方向へ逆ルートで移動したり、行楽地の駅は観光客が比較的少ない午前中に回ったりと、ルート選定に腐心した。
 当エリアは駅数が多く、特に長野県、群馬県は至る所に駅があり、どう回るべきか訪問ルート策定は地図とにらめっこする毎日が続いた。長野県は上信越道を中心に各駅が展開しているものの、松本や白馬地域の駅も多い。このため、一筆書きで移動しようにもなかなかうまいルートが見つからず、しかも各エリア間の移動は山越えになる。
 なかなか苦労した訪問であったが、山並みの美しさは格別であった。北アルプス、浅間山、八ヶ岳、走りながら景色を堪能した山々は数知れない。
 さて、今回の最終駅だが、東京の駅を選んだ。東京都で唯一の駅である。これが何を意味するのか、ラリー後半になっていろいろと考えてみた。
 道の駅は駐車場設備が必須であるため、都市部よりは郊外に建設されることが多いが、都市であっても東京、神奈川以外は県内にそれなりの駅数がある。大阪、名古屋、京都、兵庫、それぞれ駅数が多数ある。市街地にはさすがに駅はないにしても、ちょっと郊外に行けば多数の駅が設置されている。
 なぜ東京、神奈川には駅がほとんどないのか、改めて考えさせられた。県内全般に地価が高く建設しにくいということもあるのであろうが、同じ首都圏でも千葉や埼玉は多数の駅がある。観光地の有無で見ても、東京は奥多摩、神奈川は箱根湘南等、県内に観光地を抱えており、他の県がやっているような観光地振興としての道の駅需要は十分にあるはずである。それなのに、なぜ東京と神奈川には道の駅がほとんどないのか。
 東京と神奈川は、人口の多さ、経済力ともに日本国内では断トツである。東京はいうまでもなく、神奈川にしても政令指定都市が3つもあるなど、他の県、都市圏では考えられない経済力となっている。この結果、黙っていても人は集まる、放っておいても需要がある、ということになるのであろうが、これが下手をするとあぐらをかくことになっていないか、そう開設者は思うのである。
 先の東日本大震災で、被災地の惨状とともに日本経済をどう立て直すのか、喫緊の課題となっている。被災地復興やサプライチェーンの回復は緊急の課題であり、まずは最優先に対応しなければならない。
 一方で、この震災により東京一極集中であることによるリスクが浮き彫りとなった。開設者も震災当日は都内で勤務していたが帰宅できなくなり、事務所で一晩を過ごした。東京は、鉄道路線が止まってしまうと都市として機能しない実態を目の当たりにした。東京はライフラインが止まらなかったのが不幸中の幸いであったが、止まっていたらどうなっていただろうかと、考えるだけで恐ろしくなる。被災地にすればそんな状況で帰宅難民などと騒ぐのは考えが甘いとお叱りを受けるかもしれない。しかし、それが、東京という一極集中の現実とリスクであった。
 
 開設者は、道の駅や各地食べ歩きでこの数年日本各地を回っているが、東京だけで鹿通用しない感覚や現実、というのを感じ始めている。週末に道路が大渋滞するのは東京や首都圏だけであるし、すぐに行列になるのも東京だけである。一方で、地方では週末はさっと周辺観光地に行くことができるし、ちょっと遠出することも可能である。人口が多すぎず、渋滞があまりないことにより可能になるということに他ならない。
 やはり、東京はあまりに人が多すぎるのであろう。人が大きければそれ自体でマーケットになってしまうが、確かに消費地としては十分な魅力なのかもしれない。しかし、それで果たしてよいのであろうか。
 消費者の魅力を引きつける画期的な製品作り、独創的なアイデア、これらが東京で生まれるのだろうか。日本人ばかりの均質的な市場では、そこそこ取り組めば確かにある程度の製品は作れるのかもしれない。しかし、世界に打って出る、画期的な製品が生み出されるのだろうか。
 開設者が考えるに、東京という市場やマーケットは、ある意味で最大公約数的なものであろうと見ている。日本各地から人が集まってきており、特に味覚では極端に個性の強いものは敬遠され、どちらかというと万人受けする一品が好まれる傾向にあるように思う。この結果、少なくとも味覚の点では、極端に個性の強い一品が市民権を獲得して人口に膾炙するということが生まれにくくなっている。
 一方、各地を回っていると、実に個性豊かな、独創的な一品に数多く遭遇した。どうすればこういう一品が思いつくのだろうというと感じることも多々あったが、その地の個性、人々の感性がベースにあるのは言うまでもない。加えて、必死の製品開発努力、需要を喚起し町おこしをしようとする人々の努力がはっきり出ている。この結果、近年はB級グルメなどとも呼ばれるが、各地で個性豊かな味覚が多数見受けられるようになっている。
 
 東京で果たしてそうした努力が行われているのか、開設者ははっきり疑問を感じざるを得ない。もちろん、個性の強い一品を突如開発したからといってなかなか受け入れられるものではないであろうし、それならばある程度現状のマーケットをふまえた一品に仕上げておくということになる。それならば、そこそこの需要は見込める、そういうことになるのであろう。館内レストランは別頁で紹介する
 
 こうした東京のあり方、というのが今後の日本にとって果たしてプラスになるのかならないのか、今回の震災はまさにそこを問うているのではないかと、開設者は考えている。あまりに多い人口は、都市機能維持を困難にするばかりではなく、災害時にもリスクが極大化する。
 東京は、今後人口を抑制して変えていかなければならないと思う。今の人口はあまりに多すぎる。道路網や鉄道整備ひとつとっても、建設コストがあまりにも高くなりすぎ、費用対効果が見込めない状態に陥ってしまっている。
 政策的にでも、人口を日本に分散する具体的な方策、例えば東京都内の法人事業税の税率を大幅に引き上げて東京都内の本社機能や事務所機能を地方に移転するように誘導したり、他に税や社会保険全般で東京以外への分散を促す方策を行う。それにより、東京の人口をせめて3分の1でも日本各地に分散できれば、東京は随分ゆとりのある都市になると思われるし、人口が流入する日本各地の活性化にもつながってくる。
 
 閑話休題、今回の最終駅は国道16号線の左入交差点そばにあり、面している新滝山街道はいずれ青梅街道のバイパスになるとのこと。東京都内唯一の駅であり産直をやっているため連日大勢の客で賑わっているという。