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金ぷら、水炊き、ジビエ
 鳥料理 鳥源(東京杉並)(2006/10/27)
 東京都 杉並区 西荻南 3−18−3
 TEL:03-3332-0327
 コメント:鳥源(新宿)の分家筋に当たる店。今回機会ができたので行ってみた。肉の質が全く違う、都内でこれほどうまい肉が食べられるとは思っていなかった。店主に聞いてみたところ、肉にはこだわりがあり、最上のものを取り寄せているという。また、丸取りと言って鳥一羽をさばく免許を持っており、店でさばいているとのこと。肉に対するこだわりは並々ならぬものがある。今回はいろいろ試してみたが、焼き物、天ぷら、水炊き、ジビエの順に試した。まず焼き物だが串焼き、つくねとも非の打ち所がない。食材、調理いずれも完璧で、肉の持ち味を見事に引き出していた。肉は慈悲深く、しかししっかりと主張する、すばらしい一品である。次に金ぷら。これは天ぷらのことで衣に黄身を使っているので黄身=黄色=金、故に金ぷらと名付けたとのこと。黄身の衣というのは珍しいが、やわらかく、しかししっかりとした味に仕上がっている。鶏という食材の特性を知り尽くしていないとこの調理法は考えつかないであろう、何とも言えない塩梅である、鶏に黄身の衣とは、それにしても贅沢な組み合わせである。鶏のうまさをいかに引き出さんと追求するが故の仕事である。ところで、そうした衣なのに食感は全く重さを感じない、まして天ぷらでありなぜだろうと店主に聞いてみたところ、油は鶏の脂を使っているとの由。鶏の脂を使った揚げ物はもちろん初めての経験だが、大変軽く仕上がっていてまったく重さを感じない。鶏を鶏の脂で揚げる、全てが完璧である、唸るしかない。続いて水炊き。これも店主の丁寧な下準備が随所に見え、肉のうまさを完璧に引き出していた。後におじやにしたが、醤油の具合が絶妙だった。そして、ジビエ。ジビエとは(gibier)とは、”野禽獣”のことで、秋口に狩猟で得たものをいう。今回はうずらを試してみた。野生のうずらを狩猟でとなると当然かなりのクセがある。さて店主はどうさばくのか。焼き物として出てきたが、確かに独特のくせがあり、レバーのような味があった。しかし、野生ならではということなのだろう、野趣あふれる味で鶏とは全く異なる食感である。旬とはまさにこのことだろう、当節のみの一品とのこと。フランス料理ではジビエはかなり珍重されると言うが、なるほどよくわかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
衣揚げ(い、特)(2007/12/27)
コメント:金ぷらが卵黄を衣にして揚げているのに対しこちらは白身を衣にして揚げた一品。ふわっとした食感、全く無理がない。上質のシュークリームの皮かと錯覚したほどであった。肉のうま味が完璧に引き出されている。金ぷらもそうであるが、鶏肉を黄身や白身の衣で鳥脂で揚げる、何とすばらしい仕事であることか。もちろん、他店ではこうした手法は一朝一夕にはまねできないであろう。鶏を知り尽くし、鶏と正面から向かい合ってきた当店だからこそできる仕事である。