特別編 フライト修行記録
<修行とは>
エアライン各社ではマイレージプログラムを提供しているが、その中で上級会員というものが存在する。搭乗回数が頻回である者を上級会員として優遇するというものである。各国各社の主要エアラインには同様の制度が存在し、囲い込み戦略として重要な施策といえる。趣旨としてはおおむね下記の通りである。
◎1年間(暦年)で所定の搭乗回数または区間マイル累積を達成した者を上級会員として認定し、翌年は所定の優遇措置を行う。
優遇措置はラウンジの使用や優先搭乗・予約待ちの他、空席時に搭乗クラスをアップグレードする、等がある。
このように上級会員として認定されれば各種メリットがあるのだが、JALとANAを除いては1年更新であり資格を維持するには毎年搭乗実績を続けなければならない。従って、実際に用務やビジネスで頻繁に搭乗する場合のみ上級会員となる、というのが通常である。
しかしながら、例外としてJALとANAは上級会員を永続できるという、他には類を見ない制度を採用しており、特筆すべき施策をとっている。つまり、一度取得すれば所定の条件を満たし続ける場合永久に上級会員を維持することが可能となっている。このような施策は他には全く見られないものであり、あくまで1年更新というのが通常である。ごく一部の会社で永久会員制度を導入しているところがあるが、条件は現実的には到底不可能であり、該当者が果たして存在しているのか疑問である。
ともあれ、このようにJALとANAは画期的な施策を導入しており一度取得すると永続できるため、開設者は2006年に取得を検討した結果、2007年に取得することとし取得した。以下その軌跡を紹介することとしたい。なお、このような目的で搭乗実績を重ねることを巷では「修行」といい、資格取得者を「解脱僧」と称する場合もある。
その後、精進を重ね2022/06/12にJALの累計搭乗回数が
1250回に到達した。今後Five star処遇でJGC Life Mileageプログラム適用となるとのこと。
2023年11月に制度改定が発表され、修行が抜本的に変わることになった。JAL Life Status プログラムが新設され、搭乗回数積算は Life Status ポイントに移行する。開設者はJGC Life Mileageプログラム適用だがLife Status ポイント移行により引き続きステータスはFive star処遇となる。一方、その上にSix starが新設されるとのこと。Life Status ポイントは搭乗の他にJALカード利用などでもポイントが積算されるとのことで、修行は今後一変する。
JGC入会要件は従来年50回の国内線搭乗+15,000 Fly onポイントの取得であったが、新制度では1,500Life Status ポイントの積算になるとのこと。国内線搭乗は1フライト5Life Status ポイントとなるためJGC入会要件は単純計算で300回の搭乗が必要となる。1年で搭乗できる回数ではないので複数年をかけて1,500ポイント積算を目指すこととなる。Life Status ポイントはJALカード利用でも積算されるため、300回搭乗しなくても到達できるかとは思われるが、いずれにせよ従来のような1年での修行でJGCを取得することは今後実質的には不可能となる。一方で、1年50回は結構厳しいものがあり49回ではだめで翌年はリセットとなっていた。複数年での積算はこの点無理なく修行ができるものであり、楽しみながらゆっくり修行をしたいという修行僧が誕生するかもしれない。
開設者がJGCを取得して大部経つが、その間に修行がマスコミ等で照会されたり費用対効果を抑えるための攻略法がネットで流布するのを目にしている。修行が人口に膾炙するのは悪い気はしなかったが、一方で着実に増える解脱層が今後何を引き起こすか危惧するところもあった。現行制度ではJGCを取得すればJALカードを継続する限りステータスは保証されラウンジが乗し使用可能である。そのため、年1回やほとんど搭乗しない場合であっても取得しているケースが結構あるのではないかと思う。一生使える資格とみれば1回修行して取得するのは決して高い買い物ではないと捉えられていた可能性もある。
また、解脱層が増えた背景には、旅客間の待遇の差が無視できなくなってという事情もあろうと思われる。空港で上級会員を優遇するのは旅客になれば否が応でも見せつけられるものであり、開設者は常時優先搭乗しているが、荷棚は優先搭乗客ですぐにいっぱいになるためその後搭乗する一般旅客が荷物収納場所に困るのを目にすることがある。荷棚を占有するキャスター付きスーツケースを機内に持ち込ませるのが原因なのだが、一般旅客はこの他空港閉鎖時の欠航振替便手配が後回しになり数日空港に足止めにあるケースもある等、旅客間の待遇の差が無視できなくなっている。
今回の制度改定により、新規JGC取得解脱層は抑制されることは確実ではあるが、年50回未満の国内線搭乗で数年かけてJGCを目指すのは現実的であり実際開設者は修行をしているから年80回や120回を搭乗してきたのであり、あえて実需というが、実需で旅行するのはせいぜい年30回位である。
抜本的な制度改定により今後JCGがどう変わっていくのか、修行僧として見守ることとしたい。
修行記録 |
JGC Life Mileageプログラムによる2024年末時点生涯マイル
524,325マイル
(国内線 520,681マイル 国際線 3,644マイル)
同2024年末時点生涯搭乗回数
1,477回
(国内線 1,475回 国際線 2回)
JAL Life Status Pointプログラムによる生涯ポイント
7,474ポイント |
暦年別修行記録
凡例
暦年が修行期間であり、1月1日〜12月31日となる。
搭乗区間は空港を空港コード(IATA空港コード(3レターコード))で表記。 |
年 |
到達ステータス |
2025 |
修行予定 |
2024 |
JGCM/JGP |
2023 |
JGCM/JGP |
2022 |
JGCM/JGP |
2021 |
JGCM/JGP |
2020 |
JGCM/JGP |
2019 |
JGCM/JMG |
2018 |
JGCM/JGP |
2017 |
JGCM/JGP |
2016 |
JGCM/JML |
2015 |
JGCM/JGP |
2014 |
JGCM/JMX |
2013 |
JGCM/JMX |
2012 |
JGCM/JMX |
2011 |
JGCM/JMX |
2010 |
JGCM/JMG |
2009 |
JGCM/JML |
2008 |
JGCM/JML |
2007 |
JGCM/JML |
2006 |
JMB |